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① 革新進む我が国の鉄道技術とネットワーク

 私は本年に入り、JR各社への訪問、ときわ会(JR関係の団体)の各種会合への参加など通じ、最近の鉄道事業における課題や国に対する要望をお聞きするとともに、2月にはJR西日本の金沢敦賀間の北陸新幹線開業前の試乗会、3月にはJR東日本の水素電車実験車両の視察、5月にはJR東海のリニア実験線の試乗、など積極的に現場訪問をさせていただきました。

 

 国鉄改革により民営化されたJR各社のご努力と成果は、期待を大きく超えるめざましい発展を成し遂げ、全国の新幹線ネットワークをはじめとするJRの鉄道網は、今や市民生活に不可欠のインフラの役割はもちろん、海外への輸出産業としても存在感を示すものとなりました。

 

 以下に、私が訪れた現場で私なり感じたことをご報告します。

 

 1月1日に突然訪れた能登半島地震の約1ヶ月後の2月初めに金沢敦賀間の北陸新幹線延伸の開業前試乗会に参加させていただきました。半年以上が過ぎた現時点においても未だ復興途上の地域の皆様に心よりお悔やみ申し上げ、一日も早い地域の復旧復興をお祈り申し上げます。2012年着工から3月16日の開業まで約10年。自民党の鉄道調査会北陸新幹線整備PTの一員であった当時、私は、JRTTや国交省鉄道局から整備における様々な困難な課題をお聞かせいただいておりましたので、晴々しく試乗会の日を迎えることが出来た関係の皆様の喜びは本当にひとしおだと感じました。心からお喜びを申し上げます。北陸新幹線のおかげで、金沢から敦賀まで相当に早くなりました。この後は、敦賀の先を見据えた北陸新幹線の整備促進を図り、関西経済と北陸経済をしっかりと連携させていかなければなりせん。

 

 3月には川崎市中原区の車両基地において、JR東日本が水素電車として初めての試作した車輛「ひばり」をご案内いただきました。カーボンニュートラルでわが国が世界をリードしていくには、水素エネルギーの活用が極めて重要であり、その技術開発・実用化が、大きなポイントであると考えております。そういった意味で、すでに試験運転もされている車両を目の当たりにして、深く感銘をおぼえました。このような意欲的な取り組みをされているJR東日本に深い敬意を表します。実用化には、鉄道事業者の取り組みを支援することや、水素を安定供給する社会的仕組みなど、多面的な取り組みが必要であり、政治がしっかりと支えていかねばならないと思いました。

 

 5月にはリニア新幹線の試乗をさせていただきました。まずは、試乗した感想ですが、タイヤ走行から浮上走行に移行してからはぐんぐんと加速して、あっという間に500km/hを超え、気分は飛行機で飛んでいるような感覚でした。リニア新幹線は、様々な理由により、着工後の進展が遅れておりますが、東海道新幹線は開業後60年が経過しており、将来の経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えとして、リニア新幹線を早期に実現させることにより、東京・名古屋・大阪を結ぶ日本の大動脈輸送の二重系化が必要とされています。また、超電導リニアの高速性による時間短縮効果によって、日本の経済及び社会活動が大いに活性化することが期待できます。一日も早い開業が望まれます。先日7月22日に、東海道新幹線において、保守用車両の衝突・脱線という不慮の事故がありました。私も当日、京都から東京に戻るため新幹線を利用することとしていましたが、ニュースで事故を知り、あわてて京都から特急サンダーバードで敦賀へ、敦賀から北陸新幹線で東京へと乗り継ぎ、 なんとか東京に到着することが出来ました。これも北陸新幹線が、敦賀まで延伸されていたからでありますが、さらに大阪まで延伸されていたら、リニア新幹線が開業されていたら、と思わざるを得ません。地震、台風など災害多発国の我が国において、幹線交通網のリダンダンシーは必要不可欠であります。このような大切な施策を遅滞なく進めることが、私に求められている使命であうと深く感じた次第です。

 

 これらの現場視察等にお付き合いいただき、ご説明を賜った皆様に深く感謝致します

北陸新幹線

金沢・敦賀間開業

水素電車

リニア新幹線